健康診断の3日前になると、急に酒を抜き始める人。現場には必ずいます。
私もそうでした。「今週は健診だから」と言ってビールをウーロン茶に変え、3日間だけ真面目に過ごして、当日は少し誇らしい気持ちで採血を受ける。そして数週間後に届く結果票を見て、去年と大して変わらないγGTPの数字にがっくりくる。毎年これを繰り返してきました。
今年、その理由をちゃんと調べました。結論を言うと、あの3日間の努力は、数値の上ではほぼ意味がありませんでした。
私は40代でAGA治療を検討している最中ですが、治療薬には肝臓で代謝されるものがあります。だから肝臓の数値は、私にとって他人事ではありません。
この記事では、γGTPが実際にどう動くのか、下げるには何をどれくらいやればいいのかを、根拠が確認できた範囲で正直にまとめます。
結論。γGTPは「2〜3週間」単位でしか動かない
いきなり核心から書きます。
γGTPを含む肝機能検査の数値には半減期が2〜3週間あるとされています。半減期とは、血液中の物質が半分の濃度になるまでにかかる時間のことです。
つまり、数値が半分になるまでに2〜3週間かかる。3日や5日、酒を抜いたところで検査値はほとんど動きません。
これが「駆け込み禁酒が無意味」の正体でした。悲しいですが、理屈としては非常にすっきりしています。
ただし、これは裏を返せば希望でもあります。2週間以上きちんと続ければ、数値は確実に動くということだからです。実際、断酒によって約2週間で半分程度まで減少するとしている資料もありました。
健診前の「駆け込み禁酒」はなぜ意味がないのか
半減期で計算すると、必要な期間が見えてくる
具体的に計算してみます。
仮にγGTPが毎年200ある人が、100未満まで下げたいとします。半減期が2〜3週間なので、200が100になるまでに2〜3週間。そこからさらに下げたいなら、もう数週間。つまり最低でも3週間以上、酒を断つ必要があるという計算になります。
1週間の禁酒でも3桁のままだった、という話は珍しくないようです。3日や5日では、数値は微動だにしないと考えた方がよさそうです。
では何日前から始めればいいのか
現実的な目安はこうなります。
- 最低ライン:2週間前から(数値が動き始める)
- できれば:1ヶ月前から(意味のある変化が期待できる)
- 3日前:残念ながら手遅れ
正直に言うと、3日前に慌てるくらいなら、その3日は普通に過ごして、来年に向けて根本的に酒量を見直した方が建設的です。私は今年、この事実を知るのが健診の直前でした。だから今年の結果は、ある意味で「素の数値」が出ます。それはそれで、今の自分を正確に知るいい機会だと思うことにしました。
なお、一定期間禁酒してから再検査すると、アルコールによる上昇なのか、肝臓や胆道の病気による上昇なのかを区別できるとされています。数値が気になる人にとって、まとまった期間の禁酒は「対策」であると同時に「検査」でもあるわけです。
そもそもγGTPが高いと何がまずいのか
基準値の目安
γGTPの基準値は、男性で50 IU/L以下、女性で30 IU/L以下とするのが一般的です。ただし検査機関によって基準は異なり、資料によっては8〜33 IU/Lを基準としているものもあります。

自分の結果票に印字されている基準値を見るのが確実です。
主な原因はアルコールと脂肪肝
γGTPが上がる原因として最も多いのは、アルコールと脂肪肝です。
γGTPは肝臓や胆管の細胞に含まれる酵素で、細胞が傷つくと血液中に漏れ出して数値が上がります。特にアルコールに敏感に反応するのが特徴で、肝障害を起こしていなくても、日常的によく飲む人では数値が上がります。
また、アルコールを飲まない人でも脂肪肝によって上昇することがあります。「酒を飲まないから関係ない」とは言い切れない項目です。薬剤やサプリメントの影響で上がることもあるとされています。
100を超えていたら、自己判断しないでください
ここは強調しておきます。
γGTPが100を超えている場合は、原因をきちんと調べてもらうべきラインとされています。3桁になっている場合は、脂肪肝をはじめ何らかの病気が隠れている可能性があります。
やっかいなのは、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど自覚症状が出にくいことです。数値が高くても体は普通に動くので、放置しやすい。「症状がないから大丈夫」は通用しません。
節酒しても数値が下がらない場合も、別の原因を疑って受診すべきです。この記事は生活習慣の話であって、診断の代わりにはなりません。数値が高いなら、まず医師に相談してください。
γGTPを下げる生活習慣【根拠が取れたものだけ】
ネットには「これを飲めば下がる」系の情報が大量にありますが、ここでは数値の根拠が明記されていたものだけを挙げます。
①酒量を減らす
最優先はこれです。
- 1日の適量は1合まで(純アルコール約20g=ビール500ml、日本酒1合程度)
- 休肝日は週2日
「思い切って2週間程度の禁酒をしてみる」ことを勧めている資料もありました。一定期間飲まないでいるとアルコールを分解する酵素が減るため、その後の飲酒量を自然に減らせる人もいるそうです。リセット期間としての禁酒、という考え方は現実的だと思いました。
②体重を落とす
脂肪肝が原因の場合、減量が直接効きます。しかも体重の5%程度の減量でもγGTPが改善することがあるとされています。
70kgの人なら3.5kg。これは無理な数字ではありません。「10kg痩せろ」と言われると心が折れますが、5%なら現場仕事の合間でも狙える範囲です。
③有酸素運動
週150分以上、ウォーキングや軽いジョギングを週3回以上が推奨されています。
現場を歩き回っている日は、それなりの運動量にはなっているはずです。ただ「現場で歩いているから運動している」と言い切れるかは微妙なので、私は歩数計で実測してみるつもりです。
④食事
- 脂質・糖質の摂りすぎを控える
- 深夜の食事に注意(残業後の遅い晩飯は肝臓に厳しい)
- 間食を減らす
現場監督の生活で一番効きそうなのが、深夜の食事です。遅くまで書類をやって、帰ってから飯を食って、そのままビール。これが習慣化していると、酒と食事の両面から効いてしまいます。
なお、喫煙も肝機能に悪影響を与えるとされています。
サプリで下がるのか、正直に書く
調べていて驚いたのですが、「γGTP サプリ」で検索している人はかなり多いようです。気持ちはよく分かります。飲むだけで下がるなら、それが一番ラクですから。
ただ、この記事では**特定のサプリを勧めることはしません。**理由は2つです。
ひとつは、γGTP上昇の主因がアルコールと脂肪肝である以上、酒量と体重に手をつけずにサプリだけで解決するのは順番が違うからです。むしろ薬剤やサプリメントの服用自体が数値を上げることもあるとされています。
もうひとつは、医薬品の話は個人が語る領域ではないからです。肝臓の薬として名前が挙がるものの中には医療用医薬品も含まれており、それは医師が判断すべきものです。
正直に言えば、私も「飲むだけで下がる何か」を探しました。でも調べた結論は、酒量と体重が先。それ以外は後でした。身も蓋もないですが、これが一番確かな道だと思います。
現場仕事で酒を減らすのは、正直しんどい
ここからは根拠のない、私の実感の話です。
夏場、炎天下の現場を回って、汗だくで事務所に戻って、シャワーを浴びた後の一杯。あれをやめろというのは、正直かなりの要求です。
付き合いもあります。安全大会の後、竣工の打ち上げ、職人さんとの一杯。全部断ったら人間関係が成立しません。
なので、精神論では減らないという前提で、続きそうな工夫を考えました。
買う本数を先に決める。 家に箱で置いておくと必ず飲みます。逆に言えば、家にない分は飲めません。私の場合、まとめ買いをやめるのが一番効きそうです。
休肝日を先に手帳に入れる。 「飲まない日を作る」ではなく「この日は飲まない」と決めて、工程表と同じ扱いにする。段取りが仕事なので、この方が性に合っています。
ノンアルを常備する。 完全にゼロにするより、置き換えの方が続きます。
失敗しても記録は続ける。 飲んだ日も飲まなかった日もメモする。ゼロか100かにすると、一回崩れた時点で全部やめてしまうので。
これから実践するところなので、結果はまた記事にします。
なぜ今、肝臓を整えたいのか【AGA治療との関係】
最後に、私がこの記事を書いた本当の理由です。
AGA治療薬の中には、**肝臓で代謝されるものがあります。**だから治療を始める前に、自分の肝臓がどういう状態なのかを把握しておきたい。γGTPが高いまま何も考えずに薬を飲み始めるのは、私の性格上どうしても引っかかるのです。
この点は別記事で詳しく調べています。




そのうえで、私が考えている順番はこうです。
- 7月の健康診断でγGTPの実測値を確認する(今ここ)
- 結果次第で酒量を本格的に減らす
- しばらく経ってから自宅で測れる検査キットで再確認する
- 数値を持った状態でクリニックに相談する
遠回りに見えるかもしれません。でも、薄毛は今日明日でどうにかなるものではないし、肝臓も同じです。順番を守った方が、結果的に安心して続けられると思っています。
クリニックの検討経緯はこちらにまとめました。


まとめ:3日前に慌てるより、今日から2週間
- γGTPを含む肝機能の数値は半減期2〜3週間。3日の禁酒では動かない
- 本気で下げるなら最低2週間、できれば1ヶ月前から
- 主な原因はアルコールと脂肪肝。二本柱は酒量を減らすことと体重を落とすこと
- 1日1合まで・休肝日は週2日・体重5%減・有酸素運動は週150分
- 100を超えているなら自己判断せず受診。肝臓は症状が出にくい
毎年3日前に慌てていた自分に言いたいのは、「その3日を来年の2週間に回せ」ということに尽きます。
今年の健診結果は、私にとって初めて「言い訳のできない数値」です。その数字を持って、ここからが本番だと思っています。結果が出たら、また正直に書きます。


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